サステナビリティの原点
千三百年を超えて受け継がれるもの
—伊勢神宮 式年遷宮—

(data)
伊勢神宮
皇大神宮(内宮)
・豊受大神宮(外宮)

神宮式年遷宮:原則として20年ごとに、二つの正宮と14の別宮の社殿を造り替て神座を遷す。

伊勢神宮内宮(朝日)伊勢神宮内宮

お気づきでしょうか、このMブリッジのサイトTOPで、サステナビリティ推進室を象徴するイメージが、伊勢神宮なんです。そのココロは、式年遷宮。20年ごとに、社殿から神宝、装束に至るまで、すべてを新たにつくり替えるという、一見、“持続可能性”とは相容れないように思われる一大行事が、サステナビリティであふれているのです。


山をまもり、森林を育てる

一回の遷宮で、社殿や殿舎の建替えに、1万本以上のヒノキ材が必要となります。しかも、樹齢200〜300年のものがメインです。さらに、内宮正殿の御扉木は、本来一枚板でなければならず、これには、樹齢900年を超える檜を育てねばなりません。ただ檜の林を求めて伐採を続けるのではなく、伐った跡には植林をし、樹や山の手入れも受け継いで、いわば、ほぼ千年がかりの環境保全を、延々と繰り返すことが求められるのです。こうした途方もない背景があって、初めて可能な遷宮なのです。なお、遷宮の際に解体された古い社殿の木材は、神宮の摂社・末社をはじめ、全国の神社の造営などに使われ、もう一度命を吹き込まれます。


技術を伝え、人を育てる

遷宮には、社殿の建築を始め、数々の神宝をつくるにも、多くの職人さんたちが携わります。なかには、神宮のためだけに存続し、今に伝えられているような希少な技術もあります。意外なことに、職人さんたちが使う図面(=設計図)までも、遷宮のたびに、寸分違えず新たに描き直すのです。これらの技術や技法が伝承されるためにも、20年というサイクルは絶妙。まず少年期から青年期に見習いとして、壮年期には中堅から師匠クラスとして、熟年機にはアドバイザーとして携わることができるわけです。この繰り返しによって千三百年ものあいだ技術が受け継がれ、それに携わる人々を育て、彼らを養い続けているのです。


コミュニティをまもり、広げる

期間中、数多くの祭事や行事が、次々に催される遷宮。神職のみで行われるものもあれば、一般大衆が参加できるものまで様々ですが、多くは神領民(神宮の、かつての所領に住む人々)が担ってきました。それぞれの地域コミュニティでは、幼少期から大人たちの話を聞かされ、20〜30代で本格的に参加し、40〜50代には行事を仕切る立場になり、その後は後見役となって見守るという、技術の伝承とよく似たかたちで行事の伝統が受け継がれ、同時にコミュニティのつながりもまもられています。さらに、御木曳やお白石持では、全国から集まった「一日神領民」も参加。遷宮を縁にした、コミュニティの新たな広がりも生まれています。









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